ハワイで8年間ダイビングに携わり 沖縄でも多くの海外の方を受け入れています

ホヌホヌダイバーズ

オーナー / PADIコースディレクター

永坂 哲朗

Nagasaka Tetsuro

ハワイ留学で、ダイビングインストラクターになったことが僕の人生を大きく左右する事になりました

愛知県出身で近くに海があったので、ジェットスキーや、ウェイクボード、ウインドサーフィンなど様々なマリンアクティビティを楽しんでいました。まだ経験したことがなかったのがスキューバダイビングで、友人が「沖縄にライセンスを取りに行こう」というので、「じゃあ僕も」と沖縄に行ったのが25歳くらいの時です。
友人が利用していたダイビングショップにお邪魔し、ライセンスを取りました。水中でマスクを外すなんて怖いな、とドキドキしつつ、沖縄の綺麗な海に感動しながら講習を受けたのを覚えています。

28歳の時、兄が海外に行っていたのに影響を受け、僕も英語が使える仕事がしたいと思い、アメリカのハワイに留学をすることにしました。ハワイを選択したのは、海があり英語が勉強できる最初のステップにぴったりだと思ったのが決め手です。留学に向け、ビザを申請する時、「インストラクターになって英語を勉強し、日本に帰国して旅行にきた方を相手するために、ダイビングショップで英語とダイビングの勉強をします。」と言いました。言った手前、ハワイでも少しくらいダイビングのステップアップもしておこう、とダイビングを続けました。ダイビングは「出来たら良いな」くらいの感覚だったんですけど、結果その出来事が僕の人生を大きく左右する事になりました。

永坂 哲朗さん

ハワイで独立、最終的にはトータル8年の歳月をハワイでダイビングに携わることになりました

留学を終え一旦日本へ帰国した時に、ハワイのショップのオーナーさんから「ハワイで働く気があるならビザを取るよ」とお誘いを受け、ハワイのダイビングショップで働くことになりました。そこで4年勤務し、独立に向けて動き出しました。
当時はハワイにずっと住むつもりでいたので、そのためには自分でビジネスをしなくては、と思ったのが独立に踏み切った理由です。ハワイには50〜60軒ほどダイビングショップがあり、日本人向けのダイビングショップは10軒くらい。そのため、集客には困りませんでした。
独立することを見越してハワイの土地や海のローカルルールのことも勉強しました。色々とルールも厳しく、特に法的な部分にはとても苦労しました。ハワイだと、環境保護に関する法律に、事業所が合わせて営業をしなくてはいけません。ビジネスファーストではないので「来年からイルカツアー禁止です」とか「ここは立ち入り禁止です」とか、いきなりバサッと言われてしまいます。
法的なことに関しては、以前よりハワイで開業している先輩や、異業種の日本人の方に相談したり、法律の専門家にもアドバイスをいただきながら、開業することができました。最終的には、トータル8年の歳月をハワイでダイビングに携わることになりました。

永坂 哲朗さん

ハワイに戻らず沖縄で開業を決意、沖縄移住と同時にショップを開業しました

8年間のハワイでの生活を終え日本へ帰国た時、これから海外の旅行客が伸び始めるのが見えてきたタイミングだったので、日本で外国の方を相手にしたダイビングショップを開こうと、ハワイには戻らず日本の滞在を選択しました。
日本のダイビングショップのことを全然知らなかったので、1年間東京のダイビングショップで働きながら勉強し、開業をするなら少しでも暖かい沖縄はどうか、と実際に沖縄に下見に行きました。知人が沖縄で働いていたので「現状どうなの?」と色々聞き、情報を得た上で「ここならできそうだ!」と沖縄での開業を決めました。沖縄に移住したのが2010年。移住と同時に、ショップの開業をしました。

中長期の目標を立てるにあたり、「1年間のプランをきちんと考えて行動をする」ことを心がけています

日本でダイビングショップを開業するにあたり、お客さんを紹介してもらったり、沖縄のローカルルールを教えてもらったりと、たくさんの方に助けていただきました。沖縄に移住して、ダイビングショップを開くには、ちゃんと準備をしてから行動を移さないと大変だということが言えますね。
僕も言われたことであり、今後インストラクターになり独立を考えている方に伝えていることが、「1年間のプランをきちんと考えて行動をする」ということです。3年、5年、10年と中長期のプランも立て、それを達成するためには何をするべきなのか、1年間の計画を立て、それを一つ一つやっていく。僕もやってきて、確かにそうだな、と思ったので皆に伝えています。もちろん、立てた計画通りにならないこともあります。そういう時は、周りの方や、異業種の方にご意見をいただいたり、お客様から率直な意見をいただくことで乗り越えてきました。

永坂 哲朗さん

人気投票で決まったのが「ホヌホヌダイバーズ」というショップ名でした

ショップの名前の「ホヌホヌダイバーズ」は、お客様の中で人気投票をし、選ばれた名前だったのが「ホヌホヌダイバーズ」です。コロナになる前は、8〜9割が海外からのお客様でした。現在は、日本に住む海外の方と、日本人の方が半分ずつの割合で、いらしてくれています。また、ハワイ時代のお客様も遊びに来てくれ、ハワイとは違う沖縄のダイビングポイントの多様さを楽しんでくれています。

僕が沖縄の海で好きなところは、変化に富んでいる部分です。生物の多様性は、寒い冬と暑い夏があるのでとても豊富だと思います。ショップではお客様のリクエストと、季節によって、お問い合わせをいただいたタイミングで相談しながら、ダイビングポイントを考えています。夏場は慶良間、冬場はカヌチャのあたりや、糸満に行くことが多いです。カヌチャは、40〜50mほどもある青サンゴの群生があり、冬の北風の影響もなく船に乗ることができます。ポイントまで10分で着くことができるので、1ダイビングのたびに港に戻り、温水シャワーを浴びることができる素晴らしい環境が整っています。

永坂 哲朗さん

沖縄も環境に注視したダイビングを取り入れ、胸を張って世界へ沖縄のダイビングを発信できるようになってほしいです

ハワイと沖縄は同じ島なだけあって、フレンドリーだけど、最初から懐に入りすぎず適度な距離感で接してくるところはとても似ていると感じます。
海に関しては沖縄の方が抜群に良いですね。ハワイにもたくさんのポイントがありますが、州の規制が厳しいのであまり自由に移動できず、限られた場所しか楽しめないです。しかし、沖縄も環境に注視したダイビングの仕方を早く取り入れるべきだと思います。そうすることで、沖縄も胸を張って世界へ沖縄のダイビングを発信できるようになります。今は、まだその段階ではないです。ショップとしても、環境に配慮したダイビングを案内したいと思っています。

海外の方を多く受け入れているので文化的な理解もでき、また障がいをもつ海外の方の受け入れも行っています

ショップは外国語の対応を早いうちから行っている経験と、色々な国の方を受け入れているので、文化的な考え方にも理解があります。例えば、ムスリムの方がダイビングを楽しむ場合、食事や、着替えなどに配慮しています。また、沖縄でショップを開業している海外の方に対する、法律的な課題や沖縄の規則の相談も受けています。また、最近ショップでは、海外の障がいのある方の受け入れも行っています。障がいを持つ方の受け入れに関して、法律も改正され、ダイビング事業者の対応もどんどん変化が求められます。決められた対応だけではなく、それ以上のことを、障がいを持つ方にも対応してあげられたらと思い勉強を続けています。

永坂 哲朗さん

高級レストランのような配慮の行き届いたスタイルを意識し、海外の方には「こんな対応他の国ではしてくれないよ」と評判です

日本人のPADIコースディレクターはトータルで約180〜190人います。その中で、実際現場に出ているのが約100人ぐらい。沖縄県だと約15人のPADIコースディレクターがいます。海の中の状況は、自然のことなので変えることはできません。いきなりマンタが出てきて見ることができた、という状況は僕でも新人のインストラクターでも変わりはありません。
それ以外の部分、例えば安全性のことや、こうした方が良いのでは?とちょっとしたアドバイスをするところに違いが出るのかなと思います。ダイビングは、海の中、会話のない45分の世界です。そこで何を見たというのは偶然だったりするので、地上での対応、ツアーに来る前・後の対応がインスタクターの行動として大切です。そういった海以外の部分のお客様のケアも、きちんとすることを意識してご案内しています。何か準備をしている時や他のことをしている時でも、お客様を放置したりすることはありません。高級レストランのスタッフさんは、すごく配慮が行き届いています。僕も、そのレベルを目指して、お客様のサポートを心がけています。
ショップとしても、一つ上のランクを目指しており、レンタル器材や、送迎車などのメンテナンスにも細かく気を遣っています。このマインドはスタッフにもしっかり継承し、ショップ全体のイメージを作り上げてくれています。特にこのスタイルは、海外の方には「こんな対応他の国ではしてくれないよ」と評判です。

世界で活躍できるインストラクターを育てることが、今後僕がやりたいことです

世界で活躍できるインストラクターを育てることが、今後僕がやりたいことです。ダインビングインストラクターのように、その国のビザさえなんとかなれば、海外で働ける便利な職業はなかなかないです。海外の方がどのように潜るのかというのは、日本でもノウハウを伝えることはできます。海外で働くチャンスも今はさらに多様化している中で、若い方々には多様な世界を半年でも1年でも見てきてほしいです。その経験というのは、人生の中で無駄にはならないと思います。
ダイビング業界というのは、すごく不安定な部分があります。それを全体的に安定させるためには、海外の方を取り込む力を持つことが必要だと僕は考えています。海外の方に、沖縄のリピーターになってもらえるような、事業展開を今後していきたいと思っています。

DWG編集者

編集後記

お話する時に背筋を伸ばし、真っ直ぐに伝えてくれる永坂さん。ハワイでの8年間のダイビングショップ経験と知識を活かしたホヌホヌダイバーズさんは海外にも日本にも寄らない、でもどこの国の人が来ても楽しめるショップさんでした。お客様には入り口を広く、いろいろな方を受け入れている。そのための勉強を欠かさない永坂さんが、「PADIコースディレクター」に何年も選ばれ続けているのは必然だと思いました。日本の方だけではなく、海外のお友達に沖縄の海を楽しんでもらいたいとき、是非招待したいショップさんです。

永坂 哲朗さんが所属する
ダイビングショップ

ホヌホヌダイバーズ

沖縄本島エリア/那覇市

ホヌホヌダイバーズ

PADIライセンス講習、ファンや体験ダイブはお任せください。英語対応の経験豊富。We available PADI course, dive tour in English.

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