初めての沖縄の海でのダイビングは言葉に出せないくらいの感動でした
兵庫県の山奥にある大学にダイビング部があり「いつかダイビングをしてみたい」と思っていたので入部したのがダイビングをするようになったきっかけです。初めてのダイビングは兵庫県の「竹野海岸」というところでした。水中で呼吸ができるというのがとても不思議な感覚で、魚も当然のように目の前を泳いでいて自分が水族館にいるような感覚が気に入りました。
初めての沖縄の海はダイビング部の合宿で行った座間味でした。沖縄の海は言葉に出せないくらいの感動で、今まで見てきた海の青さはなんだったのか、これは本当に海なのかと驚いたのを覚えています。
連日潜ってもそのたびに違う表情を見せてくれる海に毎日潜りたい、と大学を辞めてダイビングを仕事にすることを決意しました
ダイビング部では夏に1ヶ月沖縄の離島に行きダイビングショップのお手伝いをする文化があり、僕も例に漏れず大学2年生の頃に与那国に行きました。ショップのお手伝いや島での生活は大変でしたが、与那国の海に連日潜り、その度に違う表情を見せてくれる海に面白さを感じ、「毎日でも潜りたい」と思ったのがダイビングを仕事にしようと思ったきっかけです。
その後ダイビング部で石垣島に合宿に行く機会があり、川平というダイビングポイントでマンタを見て、ここでも与那国で感じた「毎日潜っても毎日違う海が楽しい」という感覚がありました。
ダイビングの仕事を探し石垣島のショップの求人を見つけ、大学を卒業しなくてもダイビングの仕事ができるなら今すぐやりたい!と大学3年生の時に学校を辞め、石垣島に飛び込みました。周りの反応は驚きが大きかったですが、僕自身後悔はしませんでした。
地元を離れ石垣で働くことを決め、後悔なく過ごせたのはオーナーのお陰です
初めてのダイビングショップでは5年ほどお世話になりました。ショップのオーナーはお客様にはもちろんスタッフにもとても気遣いのできる方で、大学を辞めて地元を離れ、石垣島に来ても後悔なく過ごせたのはオーナーのお陰だと思います。オーナーの気遣いは今の僕のスタッフに対する対応にも活かされています。オーナーには独立後もお世話になっており、厳しくするところは厳しく、でも厳しいだけでは人は動かないのでどうしたら気持ちよく働いてもらえるのかなど相談し、教えていただいています。
自分のお店を持ちたいという感覚はずっと持っていて、履歴書にも「将来は自分のお店を持ちたいです」と書きました。独立前から「初心者の方に海を案内するのは好き」というのは思っていましたが、それをどのようにショップに反映させるかは固まっておらず、徐々にショップのコンセプトとして固めていきました。ショップを始めてから今まで、「初心者専門」というコンセプトが変わることもなく自分のやりたいことができているので独立してから特別苦労したと思ったことはありません。
ダイビング初心者の人が居心地良く安心して遊びに来ることができるショップが「ダイビングスクールあつまる」です
ダイビングスクールあつまるは2つのショップが合同となりできています。一つは僕が経営していた初心者専門の「サンフィッシュ」。もう一つは共同経営者である平尾が経営していた「ダイバーズネット」です。元々船を置くところが隣ということで平尾と仲良くなり、体験ダイビングで遊びにきてくださったお客様に対して、ライセンス講習を案内しもっとたくさんの海を経験してもらって、もっとダイビングを好きになってほしい。この思いが合致し、2020年6月に「ダイビングスクールあつまる」を2人で立ち上げました。
ダイビングスクールあつまるは「初心者専門」がキーワードとなっています。僕は魚やサンゴを見て「綺麗」と喜んでくれるリアクションが嬉しくて、初心者の方を海に案内するのが好きです。しかし、初心者の方から「ベテランさんがいると気を遣ってしまう」という悩みをよく聞いていました。初心者の方が安心して遊びに来ることができるダイビングショップを立ち上げようと「初心者専門」というのをコンセプトにしています。
体験ダイビングから担当し十数年経った今では一緒にファンダイビングを楽しめる、成長が見えるのが初心者の方を案内する醍醐味です
今まで何万人とお客様を案内してきましたが、体験ダイビングで「怖い」と言う方は結構な割合でいらっしゃいます。ある時担当した体験ダイビングにきたお客様が、ダイビングをすごく楽しみにして来てくれたのですが、いざというところで「怖い、無理」と踏みとどまってしまいました。どうにか海に案内し、ダイビングが終わって船に上がってきた瞬間「すごい楽しかった!」と言ってくれて、その日は結局1日中ダイビングを楽しみました。
後日、ライセンスを取りますと僕を指名してくれてその後ファンダイビングにも何度も一緒にいきました。独立後もショップを見つけてくれ、知り合ってから十数年立ちますが変わらず会いに来てくれています。体験ダイビングの時はどうなるかと思ったのですが、今こうしてダイビングを一緒に楽しんでいる姿を見ると嬉しくなります。
「またこのショップに来たい」とお客様が思えるような信頼関係が築けるスタッフがダイビングスクールあつまるの強みです
ショップのお客様は20-30代の女性の方が多く、ショップスタッフもほぼ女性です。
「初心者の方専門店です」と宣言しているので、ショップ全体が初心者の方への対応経験を積み、さらに充実したサービスを提供し楽しんでいただけます。一度遊びに来てくださったお客様には次はライセンスを取りたい!と思ってもらえるよう、スタッフもお客様と一緒に遊べるような雰囲気を意識しています。お客様は「ショップ」が好きなのではなく、「スタッフ」が好きでリピーターになってくれます。お客様とスタッフが仲良くなって、「ライセンス取りにくるね」と言って来てくれる方も多いです。体験ダイビングは数時間で終わりますが、その短時間できちんとまた来たいと思えるような信頼関係を築くことができるのは、ダイビングスクールあつまるのスタッフの強みです。
何度もファンダイビングを潜っているうちにお客様の技術も上がっていき、色々なポイントの情報を得て行きたいところも増えていきます。その時、我々が行けないポイントだとお客様も「他ショップさんで潜ってくるね」と声をかけてくれます。その時は我々も「いってらっしゃい」と快く送り出しています。これはお客様が色々なダイビングポイントを知り、ダイビングをもっと好きになってくれることでダイバー人口も増え、ダイビング業界全体に良い影響を与えることができると考えています。
ダイビングスクールあつまるは石垣島の良いところしか案内しません
ショップで一番人気の体験ダイビングメニューが小浜島と竹富島の中間にある砂浜だけの無人島に行く「幻の島」コースです。
石垣島は石西礁湖(日本国内最大のサンゴ礁の海域)が有名で、そこでダイビングをします。石西礁湖は数年前まで水温の上昇が原因で9割が死滅してしまったのですが、最近復活しとても綺麗なポイントになっています。ウミガメも石垣島に出るようになり、9割の確率で出会えるポイントがあります。
また、石垣の西側にある「崎枝」というエリアのミドリイシサンゴがとても綺麗です。8年ほど前にオニヒトデの被害にあい、全滅してしまい回復に4-5年かけ全盛期の4割程度まで戻ってきたにもかかわらず、今度は水温の上昇でまた全滅しスッカラカンに。それが今足の踏み場もないくらいにサンゴが密集しています。
ダイビングスクールあつまるは石垣で一番良いところにしか案内しません。体験ダイビングだけではなく、ライセンス講習も同じポイントで行います。講習中に横でウミガメが通ったり、ラッキーな時だとマンタが通ったりすることも。お陰で講習はなかなか進みません。
何万人と初心者の方を見てきた経験があるので不安をしっかりとフォローし解決策を提供することができる自信があります
ショップは船を3隻持っているので、お客様をレベルごとに分けこちらは上級者向けポイント、こちらは初心者ポイントなど臨機応変に案内することができます。今後は石垣島だけではなく、他の離島にもお客様を案内できればと考えています。今までは島のショップが他の島に案内するということはあまりしてこなかったのですが、他のダイビングショップがやってこなかったことを、今後は積極的に挑戦していきたいです。
「初心者専門」なので、初心者の方はもちろん、他のショップで潜って「痛い、怖い、もうやりたくない」という思いをした人も、あつまるに来てもう一度ダイビングにトライしてみてください。「呼吸が苦しかった」「マスクの中に水が入ってきた」など、当たり前だと思うようなこともなんでも相談してください。十数年ショップを経営し、何万人と初心者の方を見てきた経験があるのでしっかりと不安をフォローし解決策を提供することができる自信があります。アドバイスをすると案外、皆さん割とスッと潜れるものです。
編集後記
とても優しい表情と喋り方の中に、「ダイビングが好き」という芯がしっかりと見える浜さん。丁寧さの中にも勢いがあり、初心者の方なら安心と楽しさを両方感じることができると思います。ショップさんとしても3隻の船を使って、新しいことに挑戦していくとのことでしたので、今後もっと多くの方があつまるさんを入り口にダイビングの世界に飛び込んでいくのではないかと期待しています。せっかくなら綺麗な海でダイビングを始めよう、と考えている方がいたら、ぜひあつまるさんに顔を覗かせてみてください。